【2017年予測】 腐っていくGoogle検索と新しい集客法について
2016年は、キュレーションメディアとまとめサイトとアンテナサイトが、検索上位を席巻した。
キュレーションメディア
複数のサイトやブログから写真や文章をコピーして、一つのページにする作業を、キュレーションと言う。
このように、キュレーションを行ったサイトやブログなどの事をキュレーションメディアと言う。
まとめサイト
基本的にはキュレーションメディアと同じだ。
キュレーションメディアは、出典元を明らかにせずにリライトすることが多いが、まとめサイトの多くは、出典元は明らかにした上で写真や文章をコピーする。
アンテナサイト
ブログやサイトの更新情報を掲載しているサイト。
それらのサイトやブログから被リンクを受けているため、検索に強くなっている。
零細なまとめサイトとアンテナサイトの中には、2016年下旬頃にペナルティを受けるものもあったが、大手のキュレーションメディアやまとめサイトは放置された。
その為、効果的なSEO対策をして、ページの追加頻度が高く、ドメインの強さのあるキュレーションメディアが検索上位を席巻した。
なぜWEB業界は繁栄してきたのか
WEBとは、本来は『 蜘蛛の巣 』の事を言う。
蜘蛛の巣は、網目状の蜘蛛の糸が縦横無尽に張り巡らされている。
個人個人、各会社、各病院、公的な機関などそれぞれが情報を提供し、ユーザーは検索やリンクなどを通じ、それらの情報を得る。
2016年時点ではまだ、情報を探している人がWEBサイトやブログを発見するのは、主に検索結果からだ。
確かに、リンクや紹介などで自分の管理しているページを見つけてもらえるケースもあるだろう。
しかし、そう言うケースはあまり多くなく、現状ではまだ、検索結果がメインになっている。
共存共栄してきたGoogle検索とWEB業界
Googleは、多くの優良なページからリンクを受けているページを『 良いページ 』として扱うため、検索結果で上位に上がるには、リンクを集める必要がある。
そのため、自分でブラックなSEOを行って自演リンクを作る人もいれば、コンテンツを充実させてリンクを集める人もいた。
後者の、コンテンツを充実させてリンクを集めようと努力する人の動きは、多数の情報が多くの人から提供される原動力になってきた。
そして、多くの人が繋がり、多くの人が情報提供を自主的に行った。
これがWEB業界の繁栄を支えてきた。
Google検索したユーザーがコンテンツの充実したページを見つけると、ユーザーは満足した。
そして、何か調べ物をしようとする度に、何度も何度もGoogle検索を利用するようになった。
Google検索は、サイトやブログの管理者と検索したユーザーの役に立った。
崩れ始めたWEB業界の繁栄
ところが、2014年頃を境にそれが崩れ始めてきた。
日本では特に圧倒的なシェアを誇るGoogleがドメインの強さを重視しはじめたのだ。
更新頻度が高く、ドメインが強く、SEOをしっかりしていれば、丸ごとコピーだろうが、ド素人の行った適当なキュレーションページだろうが、上位にしてしまうようになったのだ。
その傾向は、年を追う毎にドンドン酷くなっていった。
文章をコピー&リライトし、写真はそのまま利用するキュレーションメディアや、一般人が自主的に投稿できるQ&Aサイト、素人が投稿できるレシピサイトなどは、強力なドメインと、圧倒的なページの追加頻度とSEOにより、2016年の末頃には、多くの検索結果の上位を占めるようになってしまった。
Google検索が招くWEB業界の崩壊
これで意気消沈してしまうのが、意欲的にページを作り続けてきたWEBマスターたちだ。
時間とお金をかけ、頑張って写真をとり、一生懸命に実験や工夫をしてきた文章や写真が、一瞬のうちにコピーされ、しかも、自分より検索上位に来てしまうのだ。
自分のサイトやブログは閑古鳥なのに、その一方で、コピーした方は大量のアクセスを集めている。
まるで、自分の肉を無料で提供している『 養豚場の豚 』の心境だ。
これをされてしまうと、大半の人は意気消沈する。
そして、最終的には、サイトやブログの更新やページの追加をやめてしまう。
サーバー代金やドメインの費用を節約するために、サイトやブログを閉鎖する人も多い。
(これが中古ドメインから被リンクを送る人たちの『 餌 』になる)
上でも書いたが、蜘蛛の巣の網目である『 WEB業界 』を支えてきたのは、小さな個人個人、各企業や団体など、『 蜘蛛の巣の網目を構成している小さな点 』だ。
でも、この蜘蛛の巣の網目を構成している小さな点が一つ、また一つと消えていくことで、WEBの形はいびつになり、大きな点へと集約していく。
細かくキレイな蜘蛛の巣ではなく、一部の大きな点と点がポツポツとあるだけのスカスカの網になる。
当然、WEB業界が盛んだった頃のような、新しく、奇抜で、役に立つ、面白い情報は少なくなる。
もちろん、コピーやキュレーションされた古い情報は簡単に手に入るだろうが、Google検索で情報を探す人は、自分の欲しいと思っていた適切な情報を得るのが難しくなるだろう。
現に今でも、3〜5ページ目でないと、情報源のしっかりとした、適切な情報が見つかりにくくなっている。
有用な情報の多くが下位のページに埋もれてしまうため、検索上位をキュレーションやまとめが占めている検索語句の場合、いきなり3〜5ページ目から見始めることが多くなった。
コミュニティサイトが発展する
このままの状態が続けば、2017年のGoogle検索は、2016年よりもさらに腐るだろう。
Google検索で得られる情報の中に欲しいものは少なくなり、Google検索で情報を得る機会は減少していく。
情報源が確かでないもの、自身が実験や体験をしていないので適当な書かれ方をしているものを見ても仕方がないからだ。
でも、これが普通のことであれば、まだ『 しょうがない 』で済ませられる。
問題なのは、『 医療系の情報 』だ。
単に、素人が書くページが問題というわけではない。
自身や身内の治療記録の公開や、医者から言われたことなどを公開するのは、閲覧者の役に立つことが多い。
でも、大学病院や医療団体のページを素人が適当にまとめたものは、間違いが多く含まれている可能性がある。
場合によっては、病気を放置したり、解決とは程遠いことを行って病状を悪化させてしまったり、(特に精神関係の病では)偏見を生む可能性もある。
これらの情報で検索結果が汚染されてしまうと、利用者にとってはGoogle検索は利益どころか有害になってしまう。
しかし、人はインターネットに情報を求め、インターネットで交流を行うのは変わらない。
そこで、今までGoogle検索を利用してきたユーザーは、欲しい情報を得られる場所(SNSや投稿型サイトやコミュニティサイト)に集まる。
例えば、レシピサイトで欲しいレシピを直に検索する。
Q&Aサイトや投稿型のサイトで、直に質問する。
人が多いサイトほど情報交換が盛んになるため、人が多いサイトには、更に人が集まるようになる。
そのコミュニティサイトを運営する企業の方も、解答や投稿や質問の意欲を上げるため、今よりもさらに工夫を行うだろう。
医者や弁護士や建築士など、専門家が回答してくれるQ&Aのサイトの価値と規模はさらに上昇し、アクセスも増えていくだろう。
これはあくまでも私の予想ではあるが、2017年は、腐ってしまったGoogle検索の代わりに、多くの人から利用されるコミュニティサイトの年になるのではないかと予想する。
WEBマスターの生き残る道
YouTubeやニコニコ動画は、それ自体で大規模なコミュニティを形成している。
サイト内で公開中の動画を検索することもできる。
なので、Google検索に依らないアクセスを確保できる。
動画サイト内にチャンネルを公開しており、そこにブログやサイトのURLを掲載すれば、チャンネルからのアクセスもあるかもしれない。
この他、バズった経験のある人であればわかると思うが、人気のあるSNSのユーザーは、それ自体でかなりのアクセスを持っている。
そこでまずは、SNSにコメントや投稿を積極的に行い、自分自身が人気のあるSNSのユーザーになり、アクセスを集められるようにする。
そして、自分のサイトやブログへのお客を回すのだ。
現在でも、これをやっている人は多いようだ。
どこかから無断でコピーしてきた動物など画像をSNS用のBOTに自動投稿させて集客し、その中に商品リンクだの自サイトへのリンクを混ぜている人もいる。
自身のオリジナルレシピを公開する場合は、個人でページを作っても見られる可能性は極端に低いため、レシピサイトや動画投稿サイトなどへ投稿する方が良い。
何故なら、Google検索が腐ってしまっている現状では、レシピサイトのユーザーに丸ごとコピーされてしまうと太刀打ちできないし、そのレシピを大量に存在する(写真・材料・作り方まで全てコピーしている)キュレーションメディアに再コピーされてしまうと、手の施しようがなくなってしまうからだ。
(チマチマと削除申請しても間に合わない)
終わってしまったものを嘆かず、新しい方へ向かって進む
Googleが、自社が開発したアルゴリズムにより、検索結果を操作して表示することは、最初から、このような惨憺たる結果を生む可能性を内包してきた。
なぜなら、何らかのアルゴリズムで検索結果の順位を決めていると言うことは、そのアルゴリズム解析に成功すれば、Google検索の対策ができてしまうからだ。
SEO業界や、SEOの専門チームのある会社や、SEOに非常に詳しい個人は、常に複数の実験サイトや実験ページを走らせており、Google側がどんな対策を取ろうが、あっという間に解析して対応してしまう。
これでは、どんなにGoogleが頑張っても意味がない。
徐々に打つ手が無くなり、最終的には腐ってしまう。
そこでGoogleは、ドメインの強さと専門性などで判断しようとしたが、結局はそれもうまく行かなかった。
SEOと、強いドメイン力を提供できる大手の上場企業が組み合わさり、強力なGoogle対策を行うことで、大学病院のサイトや公的な機関のページですら検索結果で弾き飛ばされてしまっていることが頻発している。
Googleがスパム対策
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スパムの目を掻い潜ってGoogle対策を行う
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そのGoogle対策をGoogleが対策
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以下エンドレスに続く
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Googleは対応しきれなくなり、最終的にドメイン力で判断する
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Google検索の終焉
確かに、まだ大手の手のつけていない検索語句を探し、ロングテールで勝負するのもありかもしれない。
しかし、それも徐々にSEOに特化したサイトや、キュレーションメディアに食い荒らされていっているので、そう長くは持たないだろう。
2017年は、腐ってしまったGoogle検索には見切りをつけ、別の集客方法を探す年になるのかもしれない。
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