【実名公表】 Google DMCA申請の問題点 【パクリページはそのままに】
自分のページが著作権侵害された場合、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)の検索結果からの削除申請を行い、著作権侵害中のページをGoogle検索から消すことができます。
ただし、これにはいくつかの問題があります。
それは以下の通りです。
Google DMCA申請の問題点
Google検索以外からは消すことが出来ない
Google検索のデータを利用してはいるものの、DMCAには対応していない検索エンジンもあります。
例えば、Yahoo JAPAN(yahoo.co.jp)です。
アメリカの Yahoo(yahoo.com) の場合はDMCAに対応していますので、DMCAでの検索結果の非表示もできるのですが、yahoo.co.jp の場合はDMCAには対応していないので、消す・消さないはYahoo JAPANの判断になります。
2016年現在、日本でのYahoo!のシェアはかなり高いため、Yahoo!検索ががザルになっていると、DMCAの効果が半減します。
実名が出る
住所や氏名が広く流れてしまうと(身バレ)、あらぬ嫌がらせを受けることがあります。
例えば、何者かに宅配ピザを大量に注文されてしまったり、出合い系のサイトに住所や氏名を晒されたりと言ったことです。
別に住所が公開されていないんだからいいじゃないかと言う話もありますが、この地域のこの氏名はこの人以外にない、写真や記事内容を見ても、この人に間違いないと言う場合、氏名の公開で簡単に身バレしてしまいます。
問題が発生したら警察に行き、嫌がらせをしている相手を刑事告発すればいいじゃないかと言う話もありますが、それらの手間や労力を考えると、果たしてそれが良いのかどうかは疑問です。
(それをネタにして記事を書き、アクセス数を稼ぎたい場合には、それでも良いのかもしれませんが)
ですので、実名がネット上に広く出まわると言うことは、少なくとも日本ではあまりよいことはなく、問題が発生する可能性があるため、敬遠されます。
しかし、欧米では、インターネット上で実名で活動するのは普通のことであり、変にペンネームを使うのは臆病者のする行いと見られる文化的・社会的地盤があり、アメリカ社会の企業としての活動を行っているGoogleも実名主義をとっています。
そのようなわけで、当然の如く、DMCAでの申請にも実名での申請と実名の公表が必須です。
ただし、先程も書いたように、日本においては、実名の公表は嫌がらせなどの問題が発生する可能性がありますので、非常にリスキーです。
(会社経営をしていたり、独立して仕事を請け負っている場合は止む終えないこともありますが、そうでない場合、自分から進んで実名の公表をしたがる人はあまりいません)
インデックス削除されないページがある
Java Script などで動的に生成されるページの場合は、インデックス削除の対象外になるようです。
何故なら、URLが固定されておらず、動的に変化してしまうからです。
新着情報が追加されていくと、徐々にページが後ろに移っていくものもURLが変化してしまうため、削除の対象外になりやすいです。
この他、引用やまとめページの一部だけが著作権侵害に該当する場合に、DMCAでインデックス削除申請する場合も通りにくいです。
また、記事をリライトしたページも申請が通らないことがあります。
その反対に、1ページ丸ごと全部コピーされているようなページは、かなり高確率でインデックス削除されます。
インデックスの削除後もページは存在し続ける
DMCA申請でインデックス削除はされますが、その著作権侵害ページは削除されません。
そのページは存在し続けるのです。
例えば、ヤフー知恵袋の回答文として無断転載されたとします。
DMCAのインデックス削除申請により、Google検索のインデックスからは削除されます。
でも、ヤフー知恵袋の著作権侵害ページ自体は残っています。
そしてYahoo!検索ではそのページが検索結果に乗ります。
さらにヤフー知恵袋内の検索でも、そのページは引っかかります。
ですので、ページが存在し続ける間は、著作権侵害の状態が延々と続きます。
さらに、そのヤフー知恵袋のページを見て、著作権のうるさくなさそうなヤフー知恵袋のこのページからコピーしてやろうと言う人が現れます。
そして、そのページがコピーされます。
自サイトではコピー対策を施していても、ヤフー知恵袋ではコピー対策は施されていないため、簡単にコピー・ペーストができてしまいますので、あっという間にコピーページの完成です。
すると、次はそのコピーページに対してDMCA申請を行わなければならなくなります。
まさに賽の河原状態です。
全く生産性がなく、楽しくもなく、一銭の得にもならないその作業を、毎日毎日延々とし続けることになります。
実名公表されても全く問題ないと言う方は、この作業をリアルタイムで実況すれば、それはそれでかなり面白いネタになり、場合によってはかなりアクセスも稼げると思いますので、アクセスアップがてらにやってみるのもありかもしれません。
ですが、普通はこんな 『 下らない 』 『 一銭の得にもならない 』 『 苦痛な作業 』 はしたくありませんし、それをするための金銭的・時間的余裕もありません。
インデックス削除によるペナルティは大したことがない
グーグル検索では、DMCAで大量に著作権侵害が認められたサイトには、ペナルティを課すアルゴリズムがあるそうです。
ただし、ドメインパワーが極めて高い大手のサイトの場合、DMCAのインデックス削除は大した影響はありません。
ドメインパワーが吹き飛ばしてくれるのです。
ですので、DMCAで著作権侵害が認められたページが多数存在するドメインであっても、全く平気なケースが多数存在しており、盗用・無断転載で記事元が吹き飛ばされるケースは後を絶ちません。
結局のところ
DMCAは万能ではありません。
穴だらけではあるものの、著作権侵害のページを検索結果に載せ続け、著作権侵害の状態を助長しているとして、検索サービスを提供している企業が訴訟で負けるのを、防ぐためのものに過ぎません。
アメリカでは著作権侵害について故意・過失が無くても罰せられる無過失責任制を取っているためインターネットサービスプロバイダ (ISP) には著作権侵害に繋がりかねない事態に対して、漫然とした態度を取らずに取りあえず警告を発するなど迅速に対処する事により法的に罰せられるリスクを回避できるセーフハーバー(英語版)条項の規定があり、一定の要件を備えた著作権侵害主張の通知を受けた場合には調査・削除義務が生じ、詳しい調査や発信者に対して確認を取る前にコンテンツを迅速に削除・遮断しても罪に問われないというノーティス・アンド・テイクダウン (Notice-and-Takedown) などの回避策を規定してある[1]。
Wikipedia デジタルミレニアム著作権法より
ですので、DMCAはあくまでも著作権侵害を広げないための一時的な手段として使い、Google検索で非表示にされている際に、その運営会社やサイト管理者やサーバー会社などに削除申請を行い、どうしても消さなかったり、繰り返し繰り返し同じことを起こす場合は、民事訴訟や刑事告訴をするのが、GoogleのDMCA申請の正しい使い方なのだと思います。
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